確定申告の時期となり、準備に追われている方もたくさんいると思います。
確定申告は非常に面倒ですが、そんなときにはクラウド会計を使うと便利です。
ただ、クラウド会計にもたくさんの種類があるので、どれが自分に向いているのかわからなくて迷ってしまうことがあるでしょう。
そもそも、こうしたサービスに違いなどあるのか?と疑問に思う人もいるかもしれません。
実は、クラウド会計には意外と個性がありますし、サービス内容も違い、向き不向きが大きいです。
そこで今回は、確定申告でおすすめのクラウド会計サービスを徹底比較してみました!
目次
1.freee
- おすすめ度 ★★★★★
- クラウド会計シェアNO1
- サポート体制はメールとチャット
- 仕分け自動登録機能あり
- モバイル対応している
- アプリの機能が高い
- 請求書の発行は無制限
- 同期できる金融機関の数が多い
- レジデータや電子マネー、通販のウェブ明細と同期できる
freee(フリー)は、freee株式会社が運営しているクラウド会計ソフトです。
元googleの社員が作ったことでも知られています。
2013年3月から始まったサービスで、クラウド会計ソフトとしては古い方だということもあり、クラウド会計シェアはNO1、知名度も抜群です。
料金は、個人事業主と法人とに分けられていて、以下の通りになっています。
個人事業主の場合
スターター 月 980円(税別)
スタンダード 月1,980円(税別)
プレミアム 月3,980円(税別)
法人の場合
ライト 月1980円(税別)
ビジネス 月3980円(税別)
30日間の無料試用期間があります。
サポート体制は、基本的にメールとチャットです。
プレミアムサービスにすると、電話サポートもりようできます。
仕分けの自動登録機能があるので、以前に登録したものを自動的に仕分けしてもらうことができて、便利です。
ところで、会計ソフトは、自動で同期できる金融機関の数が重要なポイントです。
同期可能な金融機関の場合には、いちいち取り込み作業をしなくても、データを自動的に取り込んでくれるからです。
そして、freeeは、銀行もクレジットカード会社も同期できる金融機関数が非常に多いです(3000社以上)。
また、金融機関だけではなく、レジデータや電子マネー、アマゾンなどのネット通販データとも同期しているので入力不要でとても便利です。
スマホには対応していますが、画面がPCと同じなので、小さくなってしまいます。
ただ、スマホアプリの機能が非常に高く、使いやすいというレビューがありました。
請求書はソフト内で発行することができて、料金内で無制限に利用できます。
総合的にとてもバランスがとれている会計ソフトなので、おすすめ度は5としました。
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2.MFクラウド会計
- おすすめ度 ★★★★
- サポート体制はメールとチャット
- 電話サポート付きプランあり
- モバイル対応している
- 請求書の発行は3件まで
- 同期できる金融機関の数が多い
- レジデータ、電子マネーや通販のウェブ明細に対応している
MFクラウド会計は、株式会社マネーフォワードという会社が運営しているクラウド会計サービスです。
サービスが始まったのが2014年2月なので、Freeeより少し遅れており、その分知名度は低くなっています。
ただ、最近ではどんどん利用者を伸ばしています。
料金は、個人事業主と法人とで分けられており、以下の通りになっています。
個人事業主の場合
- 月 800円(税別)
- あんしん電話サポート付プラン 年17,280円(税別)
法人の場合
- ライトプラン 月1980円(税別)
- スタンダードプラン 月2980円(税別)
無料で50仕訳までお試しができますし、クレジットカードを使うと45日間が無料になります。
サポートはメールとチャット以外に電話でも受け付けていますし、有料で訪問サポートもあります。
ただ、電話サポートは高額になるので不要だという意見もありました。
MFクラウドも、同期可能な金融機関が非常に多く、銀行とクレジットカードの両方で3500社を超えています。
Freeeと同様、レジデータや電子マネー、ネット通販データとも同期できます。
モバイル対応はしていますが、Freeeと同様、PCと同じ画面なので使いにくいです。アプリもさほど良いとは言えません。
MFクラウドを使うならPCから利用する方が良いです。
請求書は会計サービスとは別になっていて、3件までなら無料で登録できますが、それを超えると有料になってしまいます。
この点では、Freeeの方が上でしょう。
MFクラウドも、とても使いやすくバランスがとれているサービスなので、おすすめ度は4としました。
3.Crew
- おすすめ度 ★★★★
- 仕分けQ&Aのサービスあり(サポートサービスが充実している)
- 同期のために外部サービスを使う
- 実績豊富な運営主体
- 手入力が多め
Crewは、会計事務所のチェーンである「Q-TAX」に加盟している税理士と、「起業家を支援する全国会計事務所協会」という一般社団法人の共同開発によって生まれたクラウド会計サービスです。
Q-TAXを運営しているのは株式会社アックスコンサルティングという会社ですが、創業は1988年と古く歴史があり、会計事務所のサポートを30年も継続してきた実績があります。
Crewで注目のサービスは、「仕訳Q&A」という機能です。
これは、会計事務所に質問を登録すると、会計事務所が回答してくれるサービスで、初心者にはとても心強いです。
しかも、このサービスでは、経理業務だけではなく、会社の資金繰りや利用できる助成金についての専門家によるアドバイスを受けることもできます。
Crewは、他のクラウド会計サービスと比べてサポートは非常に充実していると言えるでしょう。
また、Crewには「入力アシスタント」と言って、正しい仕訳方法を自動表示してくれる機能もあります。
スマホやタブレットにも対応しています。
料金は、個人と法人とで異なります。
個人の場合
- 月額:980円、年額10780円
法人の場合
- 月額1980円、年額21780円
となります。
1ヶ月の無料トライアル期間があります。
ただ、問題となるのは、金融機関との同期に外部サービスを使わないといけないことです。
具体的には、マネーツリーというソフトの利用が必要ですし、金融機関以外のレジデータや電子マネー、アマゾンなどのネット通販のデータは同期することができません。
また、手入力が多くて面倒という声もありました。
以上を踏まえて、Crewは、仕分けQ&Aのサービスがとても魅力的なので、この点を評価しておすすめ度は4としました。
4.フリビズ
- おすすめ度 ★★★★
- ネットの個人事業者に特化している(法人には対応していない)
- サービス内容はシンプル
- 同期可能な金融機関は少ない
- 料金が格安
- スマホアプリに対応している
フリビズは、株式会社ミロク情報サービスという会社が運営しているクラウド会計ソフトです。
サービスが始まったのは2014年10月からであり、ネット上でお金をかせぐ個人に特化していることが大きな特徴です。
たとえば、アフィリエイトやネットオークション、せどり、転売、フリマアプリや株やFX、クラウドソーシングで稼いでいる人や、サラリーマンで副業している人など、ちょっとした稼ぎがあるけれども、おおげさな会計処理は不要な人に向いています。
フリビズの基本的なメニューや使い方は、とてもシンプルでわかりやすいです。
基本の操作は、銀行やクレジットカードのデータを取り込むこと、経費、売上げを入力すること、出荷を入力することと、出荷と入金をまとめることだけです。
経理のことがわからない初心者でもとても簡単に扱えます。
特徴的なのは、基本メニューの「出荷入力」「出荷と入金をまとめる」です。
これは、入金と出荷商品を紐漬けすることができる機能で、ネットオークションやフリマアプリなどを使ってネット上で商品を販売している人にはとても便利です。
便利に経理処理ができるだけではなく、出荷漏れも防止出来ます。
利用料金も格安です。
データ保存期間が最大3ヶ月までのベーシックプランなら月額利用料が何と無料ですし、データ保存期間が無制限のプレミアムプランなら、月額利用料が378円(口座振替)または480円(アプリ内での決済)となっています。
まずは、お試しで3ヶ月利用してみて、気に入ったらプレミアムプランにすると良いでしょう。
iPhoneとアンドロイドのアプリにも対応しているので、スマホから簡単に操作出来ます。
ただし、法人会計には対応していないので、注意が必要です。
FreeeやMFクラウドのように、多数の金融機関のデータを同期するということはできず、同期できるのはジャパンネット銀行のみです。
このように、フリビズは、ネットでかせぐ個人事業者にぴったりのサービスです。料金も安いので、一度使って見ることをおすすめします。
ただ、法人には対応していないことを考えて、おすすめ度は4としました。
5.ネットde会計
- おすすめ度 ★★★
- ウィンドウズでもマックでも利用できる
- 提携している金融機関がジャパネット銀行のみ
- 電話、メールによるサポート
- 個人向けのネットde青色申告は格安
ネットde会計は、株式会社パイプドビッツという会社が運営しているクラウド会計ソフトです。
Ass SaaSという総務省が推奨するクラウド会計の認定制度で、第1号に登録されているという歴史のあるサービスです。
一般的に、クラウド会計ソフトのサポートサービスはメールとチャットによるものが多いですが、ネットde会計では電話サポートが受けられます。
料金は、個人事業者向けのものと法人向けのもので異なります。
個人事業者向けのサービス
- ネットde青色申告というサービスで、年額3000円と格安です。
法人向けサービス
- 月額3,600円(+税)で、年額なら40000円です。30日間の無料お試し期間があります。
- 法人の場合、1アカウントで5人分のユーザーIDがもらえます。
ウィンドウズでもマックでも同じように利用できて、互換性もあります。
マック対応の会計ソフトはウィンドウズでは使えないことが多いですが、ネットde会計ではそれができるので便利です。
CSVインポート機能があるので、銀行の明細書や会社のシステムデータなどを、CSVを使って取り込むことができます。
自動学習機能もあるので、2回目からは自動で仕訳作成ができます。ただ、金融機関がジャパネット銀行のみなので、自動取り込み機能は期待ができません。
ネットde会計は、個人事業者なら格安で利用できる点が大きなメリットだと感じました。
同期できる金融機関が少ないことなどを考慮して、おすすめ度は3としました。
6.やよいの青色申告オンライン
- おすすめ度 ★★★
- キャンペーン期間あり
- プランによってサポート体制が全く違う
- データの取り込みに外部サービスを利用する
- エラーが多いというレビューあり
やよいの青色申告オンラインは、弥生株式会社が運営しているクラウド会計ソフトです。
やよいと言えば、昔から会計ソフトで有名です。
クラウド会計サービスは、2014年10月から始まったサービスで、会計ソフトとしては、Freeeに次いでNO2のシェアとなっています。
料金は、セルフプランとベーシックプランなどがあります。
セルフプラン
- 年額8000円+税
- キャンペーンで初年度が無料になります。
- サポートはありません。
ベーシックプラン
- 年額12000円+税
- キャンペーンで初年度が半額(6480円)になります。
- サポートは、電話・メール・チャットです。
- 2ヶ月間の無料体験版があります。
やよいの青色会計は、セルフプランの場合にサポートが一切ありません。
このことは、かなり不安を感じます。
ベーシックプランのサポートは電話、メール、チャットとなりますが、これについてもあまりよい評判は聞かれませんでした。
また、やよいの会計は、データの取り込み方法にも問題があります。
FreeeやMFクラウドの場合には、金融機関やクレジットカード会社のデータを自動的に取り込んでくれる機能があるので、いちいち自分で取得する必要がありません(しかも3000社以上と自動的に同期します)。
しかし、やよいの青色申告は、自動取り込み機能がなく、データを取り込みたい場合には、ZaimやMoneyLookなどの外部サービスを使わないといけないのです。
つまり、自動で同期できる金融機関数は0ということです。
このことが不安でやよいを使うのを辞めたという人もいました。
外部サービスを使うせいか、データ取り込みエラーが多いという声も聞かれました。
やよいの青色会計は、シェアが高い割にサービス内容が充実しているとは感じられないので、おすすめ度は3としました。
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自社(自分)の利用目的に合ったクラウド会計ソフトを使おう!
今回は、数あるクラウド会計ソフトを比較してみました。
やはり、知名度、シェアもNO1のFreeeは強いと感じましたが、MFクラウド会計もそれに劣らないサービスを提供していますし、ネットde会計は個人事業者には格安でウィンドウズとマックの互換性があったり、Crewは会計事務所による直接サポートサービスがあったりして、それぞれ一押しの強みがあります。
フリビズは、ネットで稼ぐ個人に特化していてとても面白いサービスだと感じました。
クラウド会計サービスは便利なので、これから是非使っていきたいですが、料金やサービス内容が異なるので、自分に合ったものを選ぶのがおすすめです。
今回の記事を参考にして、自社(自分)に一番合ったクラウド会計ソフトで、今年の確定申告もちゃちゃっと済ませてしまいましょう。
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