日本人は麺が好き!
ラーメン、うどん、そば、パスタ…美味しい麺を食べさせるお店は日本全国に沢山ありますね。
ちょっと評判のお店は、あちこちのメディアで紹介され、人気店はいつも長い行列ができています。
しかしながら、「そうめん」だけはいつまでたっても日陰の身。
専門店もほとんどないし、お店のメニューに載っていることもほとんどありません。
思いつくとすれば唯一、夏の間だけ営業する流しそうめん屋ぐらいでしょうか。
しかし、この暑い夏、そうめんを一度も食べない人がいるとも思えません。
店にはなくても、家庭では皆さんもきっとそうめんを食べていることでしょう。
我が家の場合、夏休みのお昼ごはんはそうめんが定番でした。
夏のギフトカタログには、今でも必ず複数の産地のそうめんが載っているではないですか。
播州素麺(兵庫県)、三輪素麺(奈良県)、小豆島(香川県)の日本3大そうめんは、ギフトとして根強い人気です。
調べてみると、それ以外にもそうめんの産地は日本各地にあり、それぞれ原料や製法が違うこだわりのそうめんを作っているようです。
これだけあちこちで作られているのに、他のそうめんに比べそうめんは今一つ存在感が薄くて残念な感じ。
そうめんの素晴らしさ、美味しさをもっと皆さんに知ってもらいたい!
そうめんの地位をもっと向上させたい。
そう、そうめんはもっと評価されるべき!
ということで、今回は様々な産地のそうめんを食べくらべてみようと思います。
目次
産地別そうめん7種類を食べ比べた
今回、食べ比べるのはこちらの7種類です。
では、北の方から参りましょう。
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卵めん(岩手)
- 産地:岩手
- メーカー:(有)吉田製麺
- 商品名:卵麺
- 内容量:500g
- 価格:648円
- 原材料:小麦粉、鶏卵、食塩
- カロリー:358kcal
- 茹で時間:約4分
- おすすめ評価:★★★☆☆(3点)
パッケージによると、「卵めんはおよそ300年ぐらい前、長崎から落ち延びてきたキリシタン信者松屋十蔵によって売り出したのが始まりと伝えられております。
小麦粉と鶏卵を主原料とした卵麺は、卵のほんのりした香りと色、シャキシャキとした歯ごたえをご賞味ください」だそうです。
岩手にそうめんを伝えたのが長崎のキリシタン信者だったとは意外でした。
卵めんは卵の特性で延びにくいため、温かい汁物や鍋物にも合いますし、炒めて食べる「焼卵めん」も絶品らしいです。
パッケージ通り4分茹でてみました。
そうめんにしては若干太目です。
ちょっと茹ですぎたのか、シャキシャキというよりブツブツと切れる感じです。
歯ごたえを楽しむには茹で時間4分では長いかも。
そのまま食べると、ほのかに卵ボーロのような香りと甘みを感じました。
三輪素麺(奈良)
- 産地:奈良
- メーカー:(株)マル勝高田商店
- 商品名:miwabi手延べ三輪素麺
- 内容量:300g
- 価格:375円
- 原材料:小麦粉、食塩、食用植物油(オリーブオイル)
- カロリー:334kcal
- 茹で時間:約2分
- おすすめ評価:★★★★★(5点)
奈良県桜井市を中心とした三輪地方はそうめん作りの歴史が最も長く、そうめん発祥の地と言われています。
日本全国のそうめん産地の源流が三輪で、ここから日本全国にそうめんが広がって行きました。
三輪そうめんは、11月~3月の寒い時期限定で生産されています。
気温が低いと生地がダレにくく塩分を少なくすることができるので、細くてもコシの強いそうめんが作れるそうです。
煮崩れしにくいので、にゅうめんや炒めものにも適しています。
かつては綿花の産地に近かったため、綿実油を使って延ばすのが特徴だったようですが、最近はメーカーにより使う油はまちまちのようです。
今回試食したこちらのそうめんには、オリーブオイルが使われていました。
茹で上がった麺は、極細でツルツルと光沢があり白さが際立ちます。
滑るように口の中に吸い込まれ、口の中ではじけるように切れる食感が絶妙でした。
見た目では飛びぬけて細いと感じなかったのですが、口の中に入った時の繊細さは比べた中で一番です。
播州素麺「華色そうめん」(兵庫)
- 産地:兵庫
- メーカー:東亜食品工業(株)
- 商品名:華色そうめん
- 内容量:300g
- 価格:235円
- 原材料:小麦粉、食塩、わかめ、梅、着色料(ウコン、紅麹)
- カロリー:345kcal
- 茹で時間:約2分
- おすすめ評価:★★★☆☆(3点)
そうめんの国内生産高第一位が兵庫県。
兵庫県で作られるそうめんは、播州素麺と呼ばれその代表が揖保乃糸です。
揖保川の美しい水、流域に広がる肥沃な土地が小麦栽培に適していたことから、手延べそうめんの一大産地として成長していきました。
当たり前ですが、揖保乃糸以外のそうめんも作られています。
今回は、比較のため色のきれいな華色そうめんを選んでみました。
天然素材で色を付けたそうめんは見た目に美しく、これぞニッポン!
子供の頃、色のついたそうめんだけを選んで食べていたなあ…。
2分茹でたところ、コシがなくなってしまったので、茹で時間は短めが良さそうです。
味は普通のそうめんですが、このキレイな色は小さいお子さんはもちろん、外国人の方にも喜ばれると思います。
揖保乃糸(兵庫)
- 産地:兵庫
- メーカー:兵庫県手延素麺協同組合
- 商品名:揖保乃糸
- 内容量:300g
- 価格:348円
- 原材料:小麦粉、食塩、食用植物油
- カロリー:331kcal
- 茹で時間:1分半~2分
- おすすめ評価:★★★★☆(4点)
揖保川流域の兵庫県たつの市、宍粟市、姫路市、揖保郡、佐用郡の3市2郡で作られた揖保乃糸は、兵庫県手延素麺協同組合が一括管理しています。
全ての製品は検査によって等級が決められ、組合責任で製品を保管、管理しています。
徹底した管理体制と品質保持、特約店を通じて販売するシステムで全国的なブランドを維持しているのですね。
今回試食したのは、スーパーで売られている一般的な商品「上級(赤帯)」。
ツルツル光沢のある麺は、舌の上を滑りながら喉に落ちてゆきます。
細いのに噛むとムッチリ、シコシコしっかりした弾力を感じます。
赤帯でも十分美味しさを堪能できますが、揖保乃糸はこの上に特級(黒帯)という上級よりも細い麺があり、さらにその上に「三神」と呼ばれる極細麺があるそうです。
最高級の三神は手に入れるのがかなり困難と聞きますが、いつか食べてみたいかも…
讃岐そうめん(香川)
- 産地:香川
- メーカー:石丸製麺(株)
- 商品名:讃岐そうめん
- 内容量:400g
- 価格:204円
- 原材料:小麦粉、食塩
- カロリー:360kcal
- 茹で時間:2分
- おすすめ評価:★★★☆☆(3点)
讃岐うどんが有名な香川は、そうめんの産地でもあります。
こちらの讃岐そうめんは、400gで204円と手ごろな値段が良いですね。
原材料もシンプルで、食塩と小麦粉のみ。
麺はちょっと太めでモチモチ、小麦の味が感じられます。
うどんっぽさを感じるそうめんです。
ツルツルしたのど越しを求めるとイマイチですが、お腹いっぱいにしたい人、食べごたえを求める若者にはかえってこちらの方が良いかも。
小豆島手延そうめん(香川)
- 産地:香川
- メーカー:(株)協栄岡野
- 商品名:小豆島手延そうめん
- 内容量:250g
- 価格:365円
- 原材料:小麦粉、食塩、食用ごま油
- カロリー:342kcal
- 茹で時間:約2分
- おすすめ評価:★★★★★(5点)
小豆島そうめんは、日本三大そうめんのひとつとして有名です。
讃岐うどんの起源も、じつはこの小豆島そうめんだったという説もあります。
小豆島素麺の特徴は、めんを延ばす際にごま油を使用していることです。
そのため色が少し黄味がかり、弾力のあるそうめんができます。
風味も他とは少し異なっているのだとか。江戸時代初期のころ、三輪そうめんから伝わり約400年の歴史があります。
光沢のある極細麺で、高速で口に吸い込まれてゆきます。
コシのある麺は、プリプリした噛み応えがあります。
小豆島素麺のブランドとして、島の光や瀬戸の風が有名です。
島原手延べそうめん(長崎)
- 産地:長崎
- メーカー:長崎県有家手延素麺協同組合
- 商品名:島原手延べそうめん
- 内容量:300g
- 価格:267円
- 原材料:小麦粉、食塩、綿実油、ゴマ油、コーンスターチ
- カロリー:344kcal
- 茹で時間:1分半~2分
- おすすめ評価:★★★★☆(4点)
全国2番目のそうめん生産量を誇っているのが長崎です。
古くから三輪素麺の下請け産地として発展してきたので、知名度は低迷していたものの、実力派ナンバーワンとも言われています。
現在は産地表示の問題から自主ブランド化を進め「島原そうめん」として広く知られるようになっています。
島原手延べそうめんは、小麦粉にグルテンを多く含む強力粉を使うので、コシが強くツルツルした食感が特徴です。
また、味を大きく左右する水には雲仙岳山麓の美味しい湧き水を使っています。
ツヤツヤの光沢、ツルツルののど越し、プチプチとはじける腰の強さは3大そうめんと比べても遜色ありません。
というより、同等かそれ以上の実力です。
先日マツコの知らない世界の中でも、南島原「手のべ陣川」の商品が、日本最強の品として紹介されていました。
【比較表】産地別そうめんの価格、ゆで時間、おすすめ評価
以上を簡単に表にまとめたものがこちらです。
産地 | 岩手 | 奈良 | 兵庫 | 兵庫 | 香川 | 香川 | 長崎 |
メーカー | (有)吉田製麺 | (株)マル勝高田商店 | 東亜食品工業(株) | 兵庫県手延素麺協同組合 | 石丸製麺(株) | (株)協栄岡野 | 長崎県有家手延素麺協同組合 |
商品名 | 卵麺 | miwabi手延べ三輪素麺 | 華色そうめん | 揖保乃糸 | 讃岐そうめん | 小豆島手延そうめん | 島原手延べそうめん |
内容量 | 500g | 300g | 300g | 300g | 400g | 250g | 300g |
価格(税込) | 648円 | 375円 | 235円 | 348円 | 204円 | 365円 | 267円 |
原材料 | 小麦粉、鶏卵、食塩 | 小麦粉、食塩、食用植物油(オリーブオイル) | 小麦粉、食塩、わかめ、梅、着色料(ウコン、紅麹) | 小麦粉、食塩、食用植物油 | 小麦粉、食塩 | 小麦粉、食塩、食用ごま油 | 小麦粉、食塩、綿実油、ゴマ油、コーンスターチ |
カロリー | 358kcal | 334kcal | 345kcal | 331kcal | 360kcal | 342kcal | 344kcal |
茹で時間 | 約4分 | 約2分 | 約2分 | 1分半~2分 | 2分 | 約2分 | 1分半~2分 |
おすすめ評価 | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
そうめんのおすすめランキング
いかがでしたでしょうか?
ラーメンやうどんに比べると取り上げられることの少ないそうめんですが、調べてみると産地によって特色が違い、独自のブランドそうめんを生産していることが分かりました。
今回食べた7種類を自分の好みでおすすめのランキングにするなら以下のようになります。
7位:讃岐そうめん
6位:岩手卵めん
5位:華色そうめん
4位:揖保乃糸
3位:島原手延そうめん
2位:小豆島手延べそうめん
1位:手延べ三輪そうめん
ランキングは以上です。
個人的な好みですが、そうめんは伸ばす際に油を使った手延べの方が、細くてのど越しも良く美味しく感じました。
手延そうめんと機械打ちの違い
手延べと機械打ちは、見た目も大きく違います。
左3つは機械打ちで油を使わず、製造の際の水分も手打ちに比べて少ない分、日持ちがするのが特徴です。
また、手延に比べると価格が安いのも魅力。
普段の昼食に食べるには機械打ちでも十分ではないでしょうか。
右の4つの細い束は手延べです。
油を使うので機械うちに比べて酸化しやすく日持ちは短めで、値段は高めです。
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さいごに
そうめんは、麺つゆにつけて食べるのが一般的ですよね。
その手軽さが良い反面、そればかりでは飽きてしまうという欠点もあります。
そうめんは、麺自体の味がほとんどないため、アレンジは無限大。
細いのでさっぱりしたタレにもよく絡むし、ガッツリしたソースとも相性抜群です。
パスタやうどん以上に様々なアレンジを楽しむことができますので、普通の食べ方に飽きたら色々な味付けを試してみてはいかがでしょうか。
そうめんつゆの比較記事もぜひご覧ください。
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